着物の着方練習をしていると、「あれ?なんで?どうして?」ということが出てきます。
『長襦袢の衿が気づいたら見えなくなってきてて…』というご相談をいただいたので、
衿を見せるにはどうしたら?ということについて書いてみます。ご参考になれば幸いです。
半衿をうまく出すには?コツは衿合わせの角度にあり
長襦袢の衿が隠れてしまう原因はいくつかありますが、まず、衿を合わせる時にどこで留めるか、ということも大事だと思います。
衿を左右に重ねる時、交差する角度を気にしながら…ですが その衿、どこで固定していますか?
下の写真をご覧ください。
たてにラインが入った紙を胸ひもに見立てて説明します。
長襦袢の半衿が、着物から見える部分は一部ですが、衿の延長線を固定している場所によって、その交差の角度も決まっています。
長襦袢の衿は体の脇寄り(緑の破線部分)、着物の衿は体の中心寄り(水色の破線部分)にそれぞれ紐で留め、重ね方に差がでるようにします。
その差で長襦袢の衿が見えるということになります。
※中心の黄色のラインから左右対称に同じ色で線を入れています。
半衿が出ないのは、ほかにも原因が?考えられる対処法
「着る時にはちゃんとそれぞれの位置で留めたのに、時間が経つと長襦袢の衿が隠れちゃった!」
ということもありますね。
長襦袢の衿が体の中心寄りに滑ってきている
衣紋が詰まってきて長襦袢の胸元が開いてきてしまった
などが原因かも・・・。
長襦袢の胸元を留めている紐を少し強めに結んでみる、とか長襦袢の衣紋をしっかり後ろに引く、とかも試してみてくださいね。
また、コーリンベルトをお使いの方は、ベルトの長さ、留める高さでも違ってきます。
コーリンベルトの留める位置を決めたら、そこで重なる衿の角度を見てベルトの長さ調節をしてみてください。
それぞれの方のスタイルによって違いはあります
「Aさんと私、同じ位置で衿を留めてるのに、衿の交差の角度とか、見え方は違うね!」
はい、そうなのです。
皆さん、それぞれのスタイル(体型)は違うので、同じあたりの位置で留めても角度が違います。
逆に、出来上がりの見え方を同じようにしようとすると、その方その方で留める場所は違ってきます。
胸にボリュームがある方・ない方、体の厚みがしっかりある方・ほっそりの方、などなど体は皆さん千差万別。
なので、ご自身が好きな角度を決めたら、その位置で紐で固定するということになります。
毎回違っても素敵です!
とはいえ、着る時に「ここから何センチのところを留めて…」なんて毎度毎度、出来ないですよね。
人の体は日々変化しますし、その日の気分や時間などで毎回衿の角度や出方は変わっているのではないでしょうか。
『カタログの撮影だから、角度や衿の出方は毎度同じで!』という場合と、日々の着物とは違います。
「今日はかっこよくしたいから衿合わせの角度は鋭角!」
「素敵な半衿をたっぷり見せたいから着物の衿はゆったりめにしよう!」
など、衿が出る構造が分かれば お好みで色々とアレンジができます。
「今回はイマイチだったけど、次回はもっとこうしてみよう♪」と、気軽におおらかに、楽しみながら着物を着ていきましょう✨
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