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執筆者の写真川島織物 和ラボ

季節外れの気温と、今年の秋着物事情

更新日:11月14日

こんにちは和つなぎラボの小林です。

11月も半ばとなり、「遅い初雪」や「早い初雪」などのニュースを聞きつつ…

先週の同じ曜日との気温差を見直して驚いておりますが、今年の秋はどこへ行ったのでしょう。

テレビで「紅葉が見ごろ!」と目にするものの、秋をあまり身近に感じないまま寒さに震えだしています。

突然来た寒さなので、毎年この気温の時にどう過ごしていたかが思い出せません(笑)

皆さんはいかがでしょうか。

今回は季節外れの気温で着物愛好家の方たちがどんな着物を選んでいたか…や私のつれづれ雑感をお届けします。


袷着物の出番は遅くなってきているようです

例年だと、この季節(通例では10月~)は袷(あわせ:表地と裏地で仕立てたもの)着物を着ていました。

ですが、今年は周りで良く着物を着る人たちに話を聞いても「暑すぎて10月いっぱいも単衣※だったし、11月になっても初旬は単衣!袷は無理!!」との声が多数でした。

※単衣(ひとえ:表地一枚のみで仕立てたもの)

洋服でも何をどう着ようかな、と悩みましたが、本当にこの夏から秋は着物でも悩みました。

もちろん、南北に長い日本は地域によって違いはありますし、それぞれの体感では「もう袷でぴったりだよ」ということもあると思います。

ここ数年、“例年と違い…”というフレーズを良く耳にしたり目にしたりしていますが、きものの暦もその影響を受け、『気候に合わせよう、体感に合わせよう』とおおらかに変わってきていて良いことなのでは、と感じています。


単衣着物の活躍期間は長くなりそう…

というわけで(?) これもここ数年よく聞くことではありますが「これからは単衣が大活躍だよね」という話に着物友達と落ち着きました。

単衣というと、字の通り 表地一枚で仕立ててある着物ですが、夏は透ける素材、春や秋は透けない素材で、着分けています。

透ける素材は見た目も体感も涼しいものが多いのです。(透けていなくても涼しい素材はあります)

透ける単衣の素材
透ける単衣は夏用

透けない単衣(これに裏地を付けると袷にできます)
透けない単衣(これに裏地を付けると袷にできます)

この天候がまた来年も続くようであれば、春秋は透けない単衣で長く過ごす感じになりそうですね。

長襦袢も着物も羽織も単衣…そして色柄は季節を感じるコーディネートで…

悩むとはいえ、また新たなコーディネートを考えるのも楽しみになのです☺


単衣の上にいろんな帯や小物を並べてコーディネートを考える様子

着物好きが集まる場でも単衣の方がたくさん!

11月初旬、着物好きさんが集まる大きなイベントがありました。

私はそこでの皆さんの着姿チェックをとても楽しみにしていたのですが、やはりご自身の体感重視の方が増えていると感じました。

普段着であれば着ているご本人が“わくわくして楽しい”、と思う装いで良いですよね。

最近はどんどんとそういう傾向になっているのを実際に目にして、着物のハードルがもっと下がると良いなと思いました。


柔軟に、おおらかに。気温に合わせて季節と着物を楽しみましょう

さて、来年はどんな気候になるでしょう・・。

その昔、江戸時代では同じ着物を着まわしていて、暑ければ単衣に、寒ければ裏地を縫い付けて袷に、もっと寒くなれば表地と裏地の間に綿を入れて…とのことですが 今はなかなかそこまでできません。

洋服も着物も、生きている衣類であるわけですから柔軟に変化して、気候に対応させて着ていて『心地よくて楽しいんだ!』というものであってほしいですね。


和つなぎラボ

小林

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